闇金から高額融資の実体験談
中高年の借金理由に生活苦や経営難などが挙がるのに対し、若者に多いのが遊興費。感情の赴くまま位俊の快楽を味わったために、奈落の底に突き落とされることもある。
県内に住む公務員男性(二九)は、真面目すぎる性格が災いしたのか、仕事上の責任と職場の人間関係に悩み、気を紛らわそうと始めた酒とギャンブルにはまった。「人柄が融資の条件」という新聞広告をきっかけに、十六社から三百六十万円を借金。「給料やボーナスで返せる」という軽率さも判断を誤らせた。弁護士に相談するよう勧めてくれたのは、他ならぬヤミ金業者だった。
三年前、事情を全て知る女性と結婚。幸せな新婚生活のはずだったが、仕事のストレスは解消せず、妻に内緒で酒とギャンブル、そして借金癖が再発した。退職も考えたが、生活を考えると踏み切れなかった。
昨年は四、七、九月と各二十件ずつ計千二百万円を借金。公務員だった父の退職金をあてにするしか方法はなくなった。業者からの電話で妻にも知られ、十一月に離婚。「同僚も借金に気づいているようだが、翌場では何もないふりをしている。家に帰っても一人で寂しい」。自暴自棄になり、昨年末に「夜明けの会」を訪れるまで、借金暮らしは続いた。
一件一万円から五万円程度がヤミ金の融資相場だが、男性の場合、皮肉なことに長年の返済実績と業者との信頼関係が高額融資を可能にした。「遅れてもきちんと返済してきたので、業者も安心して貸してくれる。一度に二十万円は大丈夫」と苦笑した。
男性には借金から抜け出すきっかけが何度もあった。「自分の意志の弱さが全ての原因。何度も回りに迷惑を掛けてバカだった」。十年勤めた職場も、今月末には依願退職する予定だ。父親は実家に戻るよう勧めるが、これ以上頼るわけにはいかないと思っている。
今でも時々食事をする元妻が、酔った勢いで「本当は別れたくなかった」と漏らしたことがある。「やり直したいが、男としてどうか。時間は掛かるだろうが、必ず“金にだらしない男”の汚名を返上したい」。元妻や父親ともう一度正面から向き合えた時、男性の本当の人生が動き出すはずだ。
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